たいしたこと書いてないブログ

慎ましく暮らす平民の備忘録。

ネトゲを辞めた

僕は昨年の秋にいわゆるネトゲであるFF14(PS4)を辞めました。

旧即ち根性版は未プレイですが新生で始めて丸4年間ほぼ毎日ログインの結果、少なくとも5000時間以上はやったと思います。そこまでのめり込んだのに辞めたのは後述するエンドコンテンツに対する義務感なのか強迫観念なのか何だかよく分からない感情に囚われてしまい楽しく遊ぶことが難しくなってしまったのと別のことにFF14より高い価値を見出したためこれを機に一度距離をとろうとして離れたにすぎません。

たかがゲームなのにこの面倒くさい言い訳のようなつらつらと書き出してしまう自分にも疲れます。ただ間違いないのは今でもFF14は好きと言うか別に嫌いになってもいないという事です。そのうえで「今思えばあの頃は」的なものをブログとして残すことにしました。

FF14は基本タイトル「新生エオルゼア」(レベルキャップ:LC50)に加え、第一弾の拡張ディスク「蒼天のイシュガルド」(LC60)と昨年発売された第二弾拡張ディスク「紅蓮のリベレーター」(LC70)から成るMMORPGです。

 

 

ストーリーは一応ありますが通過儀礼と言って差し支えないもので、レベルキャップ(2018年7月現在)に到達してからようやくほぼ終わりのないFF14のスタートラインに立つことが出来ます。

このゲームの特徴として良くも悪くもアイテムレベル(IL)制があります。レベルキャップで横並びになったキャラクターの強さはスキル回しにも若干左右されますが、ILの比ではありません。要はいかにレベルの高い武器と防具を身に着けるかに尽きます。全員とは言いませんが多くのプレイヤーは、より高性能の武器と防具を手に入れるためにプレイすることになります。

買うか作るか或いは通常戦闘コンテンツの報酬として入手するかが主ですが、現行パッチでの最強装備が存在しており、それらはエンドと呼ばれる高難易度のバトルコンテンツでしか入手出来ません。

エンド(またはエンドコンテンツ)は8人1組の構成で挑むとてもとても難しい戦いです。敵の繰り出す攻撃、ギミック所謂タイムラインを全て覚えPT内で動きや役割、それぞれの立ち回りをしっかりと決めて数十分にわたる戦いを8人それぞれがミスすることなく決められた通りにこなさなくてはいけません。これはちょろっと打ち合わせしてえいやあでは絶対に勝てない戦いです。本気でやろうとすると毎日数時間一定期間このために心血を注いで時にはリアルを犠牲にしてゲームに打ち込まなくてはいけません。少なくとも自分はそういう状態でした。つまり「起きている間の自由になる時間の全てをFF14に注ぎ込む」状態です。

そしてFFはこれだけではなく装備や食料から日常品までゲーム内で使う様々なものを作るクラフター8種、フィールド内から鉱物、植物から魚介類まで様々な素材を採集するギャザラー3種があります。またゲーム内には何種類かコミュニティが作れて普通に仲間内でチャットも出来ます、PVPもあります。多種多様です。

自分はそれらほぼ全てを満遍なくそこそこ楽しんだ上にエンドコンテンツにも取り組むスタイルで遊んでいました。デイリーと呼ばれる毎日更新されるミッションをこなすだけで時間はあっという間に過ぎ、空いた時間でやるゲームなどという概念は消え去り、いかにゲームに使える時間を長く確保出来るかが無意識に刷り込まれます。FF14の奴隷です。

もちろん人によりますし賛否あろうかと思いますが、このゲームの大半をしかも深いところまでやろうとしたらリアルはそこそこ犠牲にしないと不可能です。僕はそうでした。そこが傍からしたら思うでしょう「これがネトゲ依存症なのか」「こいつら悲惨だな、終わってるな」とか、でも遊んでいる側は「そんな事ない大げさ、リアルとゲームの区別くらいちゃんと出来ている、ちゃんとバランスとってるよ」って。

自分もそんな「バランスとれているよプレイヤー」の一人であり、分別を持ってゲームを楽しんでいました。週末には食料を買い込んで食事と睡眠以外はゲームに集中し、もちろん彼女と会う事なんかよりエンドの練習の方が大切です、エンドは中途半端な気持ちでは攻略できません。時には話し合い時には攻略方法を検索してただただ攻略に没頭していました、夢中になるあまり平日でも明け方までゲーム、「体調不良で休みます」と会社に電話したのは何度あったでしょうか、アプデ(新たにストーリーやコンテンツなどのやる事が追加されるやつ)の前後には有給をとって備えます。何故って遅れをとるわけにはいかないからです、誰に?分かりません。そもそもそんな事まで考えていません。

それまで年に数回旅行したり友達と遊びに行ったりしていたのをほぼ辞めて代わりに家でゲーム、そんなどこにでもいる普通の人間でした。

リアルでは仕事以外誰とも会わないので会話なんてありません、でもゲームでは100人とまでは行かなくてもそれに近いフレンドがいます。顔も合わせないのに下ネタから真剣な悩みまで話せるんです。そしてそんなフレンドや同じ目的のために集まった仲間とエンドをクリアするために練習を重ね、何度やられても立ち向かい、試行錯誤を繰り返して繰り返していつか必ず強敵を倒すんです。それが楽しかったんです。

考え方は人それぞれだけど、僕は自分が思うバランスからはかけ離れて一方に大きく傾いてしまっている状態でした。気がつけば彼女はいなくなり、実家には5年も帰っていませんでした。

そんな中、重い病を患い物理的に世界から隔離されました。結果として元に戻る事が出来ましたが、以前に較べてFFに没頭できなくなりました。と言うより別のことにより興味が沸いたのでFF14に極振りしていた時間をそっちに使った。それだけです。それだけですが人と会う機会が増えて陽の光を浴びるようになりました。

 

いずれ余裕が出来たらまたプレイしたい。そんな風に思えています。